他人の芝生は青く見える
自宅教室をやっていると他の教室を見てあせったりへこんだりすることも多いと思います。だけど、実際にはどうなのかな?
近所の住宅街で道の掃き掃除をしている男性に声をかけられました。(注 ナンパに非ず)
「この家は何度いっても掃除しないだ。枯れ葉が落ちてるっていうのに。いくら言ってもやらないから仕方ない私が掃除してるんだよ。バカなのかね?」(えー、お家の人に聞こえちゃいますよ)と口に指を当てたけど、おじさん止
まらない。「いいんだよ。聞こえたって。まったく自分の家の周りの掃除もしないんだから。」
おじさん基本情報 75歳。商店街にテナントビルを所有。町内会長経験あり。見ず知らずの私にいきなり話しかけてきて、途中で「私のこと知ってるでしょ?」って。(いや、知りませんて)
しかし言っていることが、ごもっともなので10分ほど話をうかがいました。
要約すると、
ここは2,300世帯もあるすごく大きな住宅街。美しい景観をつくるために努力する必要があるのに、年寄りが多くやる気が無い。みんな非協力的。外掃除もあまりしない。自分より上の世代に「やろう」と働きかけても、年金が安くて掃除なんかする気になれないという。
「だけどそういうもんじゃないでしょう?自分の住むところをきれいにして良い街にしてさ、誇りを持って住みたいじゃないか。」
ほんとその通り。
「お金じゃなくて心の問題ですよね。」と相づちを打つと、
「そんなに心にゆとりが無いのかねぇ。私だって11年前に女房を亡くした時はそりゃあへこんだけど、だけどやっぱりきちんと暮らさないと。」
うんうん。
「ヨーカ堂だってあるし、ちょっと行けば上大岡だってあるいい街なのに。」
ほぉ。
このあたり敷地の広い立派なおうちばかり。高級住宅街として知られている区画です。なのにヨーカ堂が近くにあるとかそういう質素な感覚をお持ちなところに(へえ)と思いました。さぞや豊かに暮らしている方が多いのだろうと思っていたんだけど。ふーん、そんな内実なのかぁと勉強になりました。
端から見るとすごく順調に見えたり、幸せそうに見えたりする人も、実は色々な問題や悩みを抱えていることは少なくありません。そんな中で、つらさを表に出さずにがんばっている人をたくさん知ってます。
自宅教室をやっていると他の教室を見てあせったりへこんだりすることも多いと思います。だけど、実際にはどうなのかな?それからうまくいっているお教室の先生はやはり相当の努力をしているのです。教室を経営する方は、自分の心の平穏のために、冷静な分析力と客観的に見る眼を持つことも大切ですね。
